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香川県情報誌「新・さぬき野」 香川に住んではじめたこと 「自然の恵みをビールに」 ツバメブリュワリー

林田弘行さんは20代に、手作りのカヌーでカナダ、アラスカと1500㌔の川下りの旅をした。日本に戻り、カヌーを製造する新規事業の担当者として、岐阜県のプラスチック加工会社に入社。しかし、その事業は半年で頓挫し、別の部署で8年働くことになった。

林田さんは本来、環境に負荷の少ない暮らしを志向しており、自然を尊ぶ化学としての「発酵」に興味があった。香川県東かがわ市に昔ながらの「むしろ麹製法」を守る醤しょう油ゆ蔵があると知り、そこで働こうと6年前に夫婦で移住。「醸造を学ぶうち、カヌーの旅の途中、立ち寄る町ごとに出合えたクラフトビールを自分で造りたくなった」と言う。

醤油蔵を辞し、一昨年末に開業したのが、一人で営むビール工場「五名(ごみょう)醸造」。住まいのある五名地域のうどん店だった建物を自分で改装し、麦汁の温度管理装置や、ビールを注ぎ瓶詰めする充じゅう充填・打栓装置なども自ら設計・開発した。林田さんは工作機械の修理をしていた時期があり、「マイクロブリュワリーが増える今、機械自体の販売も検討中」と、その出来に自信がある。

五名は、阿讃山中の県境の集落。ビールには地元で取れる小麦やユズを使用し、自然の豊かさや家族の繁栄を表す「ツバメの巣」にちなみ、「ツバメブリュワリー」のブランド名で販売している。

過去の冒険や経験が一つに紡がれたビール造りを、林田さんは静かに、けれど心から楽しんでいる。


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